蘇えるK2B2編 

 「K2B2」・・・この奇妙なバンド名の命名者はだれなのか、今では遠い過去のことであり紋次郎のように定かでない・・・。
通称「けいつー・びいつー」と呼びならわされているが、 実は、結成時の正式名称は「
カーサ・デ・ラ・カムノン・ブルェス・バードッ
(「
Kase de-ra Kamno est Bluet est Birdt」:スペイン語で「青い鳥の住む家」という意味)というものであった。
一説によると、メンバーを目の仇のようにシゴいた体育教師(桶狭間先生)の住んでいたマンションの名前だとも言われている。
一風変わったバンド名は、しかし充分に知的で内省的かつ気品を感じさせ、今後の活躍をも容易に予感させ、けいおん部内の期待を一身に集めたのであった、と伝えられる
(注1)。 

         

しかし、ラテン風のバンド名のくせに、初期演奏曲が「Sonny Boy Williamson Gone」などという濃ゆいブルース曲であった。しかも、何よりその類いマレな演奏力(逆の意味で)により、部内の空気が一瞬に白くなり、「なんじゃー!」「ゴルァ!」「ぎゃははは!」「今のは音合わせじゃなかったのかのん!」「リズムと体の動きが合ってなくてヘン!」(注2)と怒号と失笑がウンカの如く沸き上がり、さらには「大体、名前長すぎだろ!」「エラソーだぞ!」(注3)との批判まで出て、あっという間にバンド名が略されるようになってしまったのである。

 

 略されたバンド名は、おおかたの人々には「何て読むんだ?これ」「・・・ケイ二乗、ビイ二乗・・・?変なの!」「ナニコレ、馬鹿なの?」「いや、きっと流行のテクノポップ(注4)だよ」などと言われるようになった。メンバー(注5)は「うわーん、KじじょうBじじょう、なんて名前やだー!」と情けなさに身悶えしていたが、温厚な数学萌えのアンギラス山本(注6)に「うるさいな、それ以上文句言うと因数分解するぞ、お前ら!」とコワイことを言われてしまい、それ以上は言えなくなってしまった。

バンドの考えとしては、素晴らしいブルーズバンドに成長してゆくためまず基本を、と思っていたのだが、
この「思わぬ批判」(メンバー談)
(注7)と、 略されたバンド名のため急速な方向転換を余儀なくされることとなった。
リーダー吉川は体勢を立て直すため
(注8)、 今後シンプルなロックンロール、ブギー調の曲を演奏してゆくことをメンバーに宣言し、叫んだ。

吉川:「ダダぁ!、方針決定祝いのビール、下宿から持って来―い! ガマっ!ツマミ、学食からかっぱらって来−い! 
ふるせーっ!『テンツクリ』買って来ーい!」
古瀬:「はぁ!? 『テンツクリ』?なんじゃ、それは?それと、いちいちどなるのはやめい!
(注9)
吉川:「知らんのか!この貧乏人め!よく駅前とかの屋台で売っとるだろうが!あの甘くておいしい栗だ!」
古瀬:「・・・キミはバカか!あれは『テンシンアマグリ』と読むのだ!しかも『甘』という漢字を抜かしとるし!」
吉川:「うっ・・・うっ・・うるせー!ちょっと間違っただけだぁー!そんなことは『日常茶番劇』だろー!『揚げソク』とるなー!」 
古瀬:「・・・はいはい、『日常茶飯事』ね。・・・あと『アシ』ね・・・
(注10)

 こうして、けいじじょ・・・いや、K2B2はなんとか再スタートを切ったのだった。
そして今、蘇えるきんろ・・・いやK2B2は、トリッパー・ディで復活を遂げる!
(注11)

次回「K2B2の逆襲編」に続く。乞うご期待!



             (ダダ謝る・・・)


注1「けいおん部内の期待を一身に集めた」・・・ちょっと、いやとても言いすぎだと思う。

注2「なんじゃー!」・・・・竹内氏の驚愕の雄叫びだったと思われる。「ゴルァ!」・・・・・・・・高橋氏の逆上の怒声だったと思われる。 「ぎゃははは!」・・・土井さんの底抜けの笑い声だったと思われる。「今のは音合わせじゃなかったのかのん!」・・・岡部さんの悲痛な嘆声だったと思われる。 「リズムと体の動きが合ってなくてヘン!」・・・シェイプ・アップのスルドイ突っ込みだったと思う。

注3「大体、名前長すぎだろ!」・・・雄三郎氏の冷静な指摘だったと思われる。「エラソーだぞ!」・・・テルちゃんの強烈な弾劾だったと思われる。

注4「流行のテクノポップ」・・・当時、「YMO」などが全盛を極め、注釈者が会場設営のバイトに行ったとき、
何故か24時間ぶっ通しで「ライディーン」がエンドレスで鳴り響いており、注釈者は「テクノ」と聞くとジンマシンが出る体質となり、
未だに医者にかかっている。トラウマミュージック。

注5「メンバー」・・・「吉川」:バンマス。強きにへつらい、弱きを挫く天性の極悪非道の人。g、vo。
「ガマ」:メンバー中、唯一まともな人。今はどこに?ds。
「ふるせ」:"シンちゃん"とも呼ばれる半田の人。バンドの渉外担当者(字が違う?)。ぶんぶんb。
「ダダ」:元ダダ星の人。今はハゲ。こいつも根性がちょっと、ね。g。

注6「数学萌えのアンギラス山本」・・・後に「オフサイド・マフ」で活躍するボーカルも取れるギタリスト。
当時は「コケイン」や「パープルへイズ」などハードなロックをやっていたが、曲間でゴジラのライバル・アンギラスの吼え声をやるので顰蹙を買っていた。温厚だが、数学に強く、よく走っている車のナンバープレート番号を因数分解していた。

注7「思わぬ批判」・・・どのクチが言ったかわからないが、バンド自らの演奏力に正しい認識ができていないため、このような言葉がでてきたのであろう。

注8「吉川は体勢を立て直すため」・・・吉川の方針転換は、ただ単に竹内氏や高橋氏などの叱責が恐ろしかったため、という説が有力視されている。

注9「いちいちどなる」・・・吉川は、普通に喋っている時も怒鳴るように喋る。とてもうるさい。すごく、うるさい。

注10「テンツクリ」「日常茶番劇」「揚げソク」・・・どれも掛け値なしの実話なのが怖い。 →「恐怖の吉川語録」でググるとたくさん実例が出てくる。注11「トリッパー・ディで復活」・・・凄そうだが、実態はゲーム「バイオハザード」の雑魚ゾンビと変わらんレベルと考えられている。


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